「軽貨物と軽自動車って何が違うの?」
「どうやって軽バンを選べばいいの?」
と思うことはありませんか?
軽貨物車両を探そうとしても、どのような基準で車両を選べば良いのか困ってしまいますよね。
では、毎日配送業務をおこなう軽貨物ドライバーは、どのような基準で選んだのでしょうか?
- 軽貨物の基礎知識と軽貨物ドライバーが利用している人気車種一覧
- 軽貨物車両を選ぶ際に重視すべき3つのポイント
- 軽貨物は「中古」「レンタル」「リース」どれにするのか考え方
この記事を見ればどのような車両を軽貨物と呼ぶのかわかり、車選びに必要な知識が手に入ります。
「どの車にするか悩んでいる」という人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
軽貨物車両とはワンボックスの軽自動車のこと!3つの基礎知識
普段軽自動車という言葉は耳にしますが、軽貨物車両というのはあまり聞かないのではないでしょうか。
運送業界では軽バンと呼ばれる軽貨物車両は、荷物を運ぶことに特化した車両のことです。
自動車自体は軽自動車ですが乗用車とは異なる点が多いものの、何が違うのかわからないですよね。
そこで、軽貨物ドライバーとして働くうえで知っておくべき基本を紹介していくので、軽貨物とはどんな車両なのか理解しましょう。
1.軽貨物車と軽自動車の違い
軽貨物車と軽自動車はどちらも軽自動車で、同じ車両であっても車検証の「用途」に記入されている内容でさまざまな違いが生じます。
軽貨物車と軽自動車は使用用途だけでなく、以下のような違いがあります。
軽貨物車 | 軽自動車 | |
---|---|---|
使用用途 | 荷物の運搬 | 人の移動 |
車検証の用途欄 | 貨物 | 乗用 |
条件 | 床面積0.6㎡以上 荷台スペースのほうが広い など | 排気量660㏄以下 長さ3.4m以下 など |
車体価格 | 安い | 高い |
中古市場 | 数が少ない | 数が多い |
自動車税 | 5,000円 | 10,800円 |
車検 | 2年ごと | 2年ごと |
任意保険 | 高い | 安い |
軽貨物の納める税金で詳しく解説していますが、税金面では優遇されているものの任意保険が軽自動車の2~3倍と高額です。
貨物として登録すると座席が4名から2名に減ってしまうなど日常使いしにくい仕様になってしまうので、税金が安いという安易な理由だけで軽貨物として登録するのは避けましょう。
2.人気の軽貨物車両一覧
各メーカーからさまざまな軽貨物が販売されていますが、ドライバーのから絶大な支持を得ている車種がいくつかあります。
実際仕事で使われている人気の軽貨物車両を10台紹介するので、軽バン選びの参考にしてください。
人気の車両を紹介していきますが、太字で書いてあるものは軽貨物ドライバーに人気の車種です。
ダイハツ | ハイゼットキャディー ハイゼットカーゴ |
ホンダ | V-VAN バモス アクティバン |
スズキ | エブリイワゴン |
日産 | NV-100クリッパー |
スバル | サンバーバン |
三菱 | ミニキャブ |
マツダ | スクラムバン |
「どの車種がいいかわからない」という人は利用者が多い太字で紹介したものを選べば失敗しないので、選ぶ際の参考にしてくださいね。
3.軽バンを黒ナンバー登録する方法
黒ナンバー取得は運輸支局と軽自動車検査協会へ書類を提出すれば、2,000円ほどの費用で取得できます。
詳しくは黒ナンバーの取得方法で解説しているので、取得前後の大まかな流れを紹介していきますね。
- 1.車両を用意する
- 軽トラック、軽バン、125㏄のバイクであればなんでも良いが、実用性を考えるなら軽バン一択
探すのが面倒な人はGMSリースなら黒ナンバー取得済みの軽バンをリースできる
車両と一緒に営業所(自宅)に駐車場がない人は借りておく - 2.運輸支局に必要書類を提出する
- 最寄りの運輸支局へ行き、軽貨物運送業許可申請をする
貨物軽自動車運送事業経営届出書の書き方をチェックする - 3.黒ナンバーを取得する
- 最寄りの軽自動車検査協会へ行き、黒ナンバーを取得する
申請依頼書をダウンロードする - 4.任意保険に加入する
- 代理店へ行き、任意保険を契約する。
少しでも保険料を安くしたい人は、一括見積で最安値をリサーチしたほうが良い
保険スクエアbang!で一括見積をする
ネットで契約したい人は、はたらくクルマの自動車保険で見積もりを取る - 5.開業届を提出する
- 開業から1ヶ月以内に最寄りの税務署へ行き開業届を提出する(郵送可)
郵送で済ませたい人は開業freeeを使い、開業届を入力する方法もある
黒ナンバー取得は運輸支局で押印した書類を持って軽自動車検査協会へ行かなければいけないので、かならず順番を守って行動してくださいね。
「自分で登録するのは面倒」という人は黒ナンバー取得済みの軽バンがリースできるので、選択肢の1つに加えるのも悪くないですよ。
軽貨物車両を選ぶ際に重視すべき3つのポイント
仕事で使う軽貨物車両だからこそ、乗れればいいというものではないです。
1度購入すると数年間は使い続けるものなので、購入時に確認しておいたほうが良い3つのポイントを紹介します。
車両購入は運送業最大の出費ともいえるほど大きな買い物なので、後悔しないようきちんと選びましょう。
どのような点に気を付ければ良いのか、3つのポイントを紹介していきます。
1.車内空間は広いのか
軽自動車の場合は最大で350㎏まで積載可能と定められているため、軽バンならどれを購入しても同じだと考えている人が多いです。
しかし、積載量は同じでも車内空間は車種ごとに異なるので、たくさん荷物が詰めるよう出し入れしやすい車種を選びましょう。
軽バンなら大差がないと思うかもしれませんが、少しの差でも荷物を載せれる量がまったく違います。
大きい荷物を届ける場合、このわずかな広さの違いが「載る」「載らない」が決まる決定的な差になります。
とくに近年発売している車種は車内空間が充実しているものが多いので、いかに多くの荷物を載せられるのかを考えたうえで車を選んでくださいね。
2.中古車の場合は登録年数や走行距離
仕事で使う軽バンなので、登録年数や走行距離の確認はとても重要です。
自家用車とは違い軽バンは商用車として利用されてたケースが非常に多く、車体価格が安い場合は「年式が古い」「走行距離が多い」のどちらかです。
ガリバーで軽バンを探すと、以下のような価格帯でした。
車種 | 登録/走行距離 | 価格 |
---|---|---|
日産 NV100クリッパーリオ | 2019年/31,000㎞ | 139万8100円 |
スズキ エブリィ | 2012年/114,000㎞ | 34万8700円 |
新車登録から5年以内、かつ走行距離は5万㎞以下の車両を探すと長く乗れるので、予算と相談しながら状態が良い車を探してください。
届け出済み未使用車や展示車の場合は新車に近いので、値段は高いものの長く乗れますよ。
3.新車の場合は燃費などのスペック
最近の車種は燃費向上をウリに販売しているものが多く、それは軽貨物も例外ではありません。
あくまでも公表されている燃費なので実燃費とは異なりますが、人気の3車種で燃費の違いを比較していきますね。
車種 | 燃費 |
---|---|
スズキ エブリイ | 17.2㎞/2WD(5MT車) 14.6㎞/2WD(4AT車) 16.4㎞/5AGS車 |
ダイハツ ハイゼットカーゴ | 19.7㎞/2WD 19.0㎞/4WD |
ホンダ N-VAN | 19.2㎞/WLTCモード 23.8㎞/JC08モード 17.9㎞/市街地モード |
自家用車よりも仕事で使う軽貨物は走行距離が長くなるため、どうしてもガソリン代が大きな出費となってしまいます。
燃費が少し違うだけでもガソリン代がまったく異なるので、経費を圧迫しないよう少しでも燃費が良い車を選んだほうが支払う金額が少なくなりますよ。
おすすめの軽貨物車両5選
「軽貨物のことは理解したけど、どの車種が良いかわからない」という人向けに、軽貨物ドライバーとして働く人が乗っているおすすめの車種を紹介します。
おすすめの車種は新車だけでなく中古車の場合も同じなので、車選びの参考にしてくださいね。
この5つの車種であれば「どれを選んでも間違いない」と言えるほどおすすめですが、価格以外にも若干違いがあります。
長い距離を走行するドライバーだからこそ自分が良いと思える性能を備えた車を選ぶべきなので、特徴を解説していきますね。
1.スズキ エブリィ
新車価格 | 97.1~154.0万円 |
全長 | 3,395㎜ |
全幅 | 1,475㎜ |
全高 | 1,895㎜ |
燃費 | 17.2㎞/2WD(5MT車) 14.6㎞/2WD(4AT車) 16.4㎞/5AGS車 |
特徴 | 開口部が広くスムーズな積降を実現 |
積載部分が広いため「少しでも多く荷物を積みたい」という人におすすめのエブリィは、バックドアが1,165×1,340㎜とストレスなく積み下ろせる仕様になっています。
4速ATだけでなく5速マニュアルも備わっているため、必要に応じて自分で変速可能な点も人気の理由の1つです。
ロングセラー商品のエブリィは中古市場にも出回っているため、新車以外の選択肢があるのも高ポイントです。
2.ダイハツ ハイゼットカーゴ
小回り性能に定評のあるハイゼットカーゴは、さまざまな場所に荷物を届ける軽貨物ドライバーから支持されています。
スマートアシスト搭載の現行モデルは安全性に優れているため、遠方への長距離配送など疲労を感じる場面が想定される人におすすめの車種です。
安全性が優れているだけでなく、オートハイビーム搭載などドライバーの負担を軽減してくれる車種です。
3.ホンダ N-VAN
新車価格 | 127.6~187.2万円 |
全長 | 3,395㎜ |
全幅 | 1,475㎜ |
全高 | 1,850mm/1,865mm/1,945mm/1,960mm/ |
燃費 (ターボ車を除く) | 19.2㎞/WLTCモード 23.8㎞/JC08モード 17.9㎞/市街地モード |
特徴 | Nシリーズならではの乗り心地 |
大人気のN-BOXシリーズの1つであるN-VANはNシリーズと同じ乗り心地を再現しているため、長距離の運転でも疲れません。
しかし、積載部分がほかの軽バンよりも狭いため、少ない荷物を運ぶ人や乗り心地を重視する人におすすめの車種です。
乗用車のN-BOXがベースということもあり、ほかの車種よりも20万円ほど割高な価格です。
4.日産 NV100クリッパー
商用車として人気のあるNV100クリッパーはエブリィのOEM供給車ということもあり、車体価格が安いのが特徴です。
バックドアの開口部分が90度近く開くので、たくさん荷物を積みたい人におすすめの車両です。
大手運送会社の業務委託や、Amazon Flexなどで荷物の量が多い人に重宝されています。
5.スバル サンバー
新車価格 | 104.5~188.1万円 |
全長 | 3,395㎜ |
全幅 | 1,475㎜ |
全高 | 1,815~1,905㎜ |
燃費 | 14.9~15.6㎞/VB 15.6㎞/VBクリーン 14.9~15.6㎞/トランスポーター 14.9~15.6㎞/VC 14.7㎞/VCターボ 14.7㎞/ディアス |
特徴 | ターボ搭載でパワーがある |
サンバーはさきほど紹介した車に比べて燃費は悪いものの、ほかの車種に比べて力強く走行時にストレスがかかりません。
ターボ車の燃費が悪いのを改善して15㎞前後走行できるようになったので、加速と安価な価格両方を重視する人におすすめの車種です。
サンバーは2012年に生産を終えたものの、ダイハツにOEM提供を受けリニューアルして登場しました。
軽貨物車両は中古車?レンタル?リース?悩む場合の考え方
軽貨物車両を入手する方法は大きくわけて3つあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットを考慮したうえで車両の入手方法を決めたほうが良いので、購入前にしっかりと確認しておきましょう。
予算によって車両の購入方法が異なるので、どの選択肢が自分にとって最良の選択なのか一緒に考えていきましょう。
どうやって車両を用意するか悩んでいる人ために、選ぶ際の考えたかを詳しく解説していきます。
1.中古車は初期費用を抑えたい人におすすめ
中古車は新車に比べると購入時の価格が安く、手が出しやすい点です。
しかし、軽自動車に比べると軽バンは車体価格が高い場合が多いので、状態の良い車であれば100万円前後は費用がかかってしまいます。
- 購入時の価格が新車よりも安い
- 納車のスピードが2週間前後と早い
- 生産終了モデルも選択できる
- 使用感がある
- 車体によっては状態が悪い
中古車は故障のリスクがともなうものの、新車よりも安く軽貨物車両を購入できます。
「安くていいから、とりあえず1台欲しい」という人におすすめなので、なるべく状態の良いものを選んでくださいね。
2.レンタルは短期で借りたい人におすすめ
短期で黒ナンバーの軽貨物を貸し出している業者は少ないものの、数ヶ月単位でレンタルできます。
しかし、レンタル期間が短いほど料金が高くなり、1ヶ月の場合50,000円ほどするリース会社もあります。
- 月単位で契約できる
- 急に車両が必要なときに利用しやすい
- 長期と比較すると料金が割高
- あまり業者は選べない
黒ナンバーを短期レンタルする方法でも紹介していますが、リース期間が長いほど月額料金が安く、走行距離などの制限がないため利用しやすくなっています。
急激に需要が増している運送業界は短期レンタルに回す車両が圧倒的に少ないので、利用できない可能性があることを念頭に置いておいてください。
3.リースは程度の良い軽バンが欲しい人におすすめ
リースの始まりは商用車ということもあり、軽バンを取扱っているリース会社が多く存在します。
リース会社のなかには新車を扱っている業者もあるので、程度のいい車両を探している人におすすめです。
- 車種の選択肢が多い
- ローンと同じような感覚で借りられる
- ローンよりも審査難易度が低い
- 契約期間中は解約できない
- リース会社によっては走行距離制限がある
さまざまなリース会社から軽貨物を借りられますが、なかには走行距離に制限をもうけている会社もあります。
詳細は軽貨物おすすめのリース会社で紹介していますが、リースの際は走行距離に制限のない会社を選ぶと超過料金を払わずに済みますよ。
黒ナンバーをリースするなら、圧倒的に審査通過率が高いGMSリースがおすすめです。
詳しくはGMSリースのプランで紹介しているので、チェックしてください。
今から開業するのであれば軽貨物車両はリースがおすすめ
近年軽貨物ドライバーの需要は急速に高まっているため、軽貨物車両を購入する人が増えてきました。
しかし、人気ゆえに新車であれば購入できるものの、中古車市場に出回る数は年々少なくなっています。
リースであれば確実に軽貨物運送業に適した車両を借りられるので、選択肢に加えて損はないですよ。
- 軽貨物車を使い運送業をする場合、事前に黒ナンバーを取得しなけれないけない
- 購入時は車内空間や燃費、中古の場合は走行距離なども確認する
- おすすめの5車種は軽貨物ドライバーのなかでも人気があり利用者が多い
仕事で利用する軽貨物車は少しでも空間にゆとりがある車種のほうが良いものの、実際店頭で見るとどれも同じに見えてしまいます。
「車に詳しくない」「おすすめの車種でいい」とこだわりがなければリースのほうが配達に適した車を用意できるので、軽貨物のリースはとてもおすすめです。
基礎です