個人事業主の軽貨物ドライバーとして働こうと思っても、未経験の職種は不安なことも多いですよね。
「軽貨物ドライバーは、どんな雇用形態があるの?」
「個人事業主のドライバーの年収はいくらくらい?」
など、気になりませんか?
これから起業するにあたって、軽貨物ドライバーのことを詳しく知りたいんだ。
雇用形態だけでなく、経費からメリットとデメリットまで詳しく解説していきますね。
- 働く前に知っておくべき基本情報と、メリット・デメリット
- 3つの案件で比較するドライバーの平均給与
- 本当に起業して大丈夫?軽貨物ドライバーに関する不安を解決
この記事では、会社員とは異なる点が多い個人事業主の軽貨物ドライバーだからこそ知っておくべき基本情報がサクッとわかります。
この記事を読めば、どのくらい働けばいくらくらい稼げるようになるのかイメージできますよ。
これから軽貨物ドライバーデビューしようと考えている方は、ぜひ読み進めてくださいね。
同じ黒ナンバーでも違う!フリーランスの軽貨物ドライバー2種類の雇用形態
軽貨物ドライバーは運送会社の社員として働くほかに、会社に雇用されずに働く「業務委託」と「フリーランス」の2種類の雇用形態があります。
業務委託とフリーランスはどちらも個人事業主なので意味は同じですが、働き方に大きな違いがあります。
業務委託のポイント
- 運送会社と契約し、継続的に案件を紹介してもらう
- 案件紹介には案件紹介手数料として報酬の10~15%ほど支払う
フリーランスのポイント
- みずから営業し、案件を獲得しなければいけない
- 直接契約をするため、報酬はすべて自分のものになる
同じ個人事業主でも、メリットとデメリットが全然違うんだな。
一概に「業務委託のほうがいい」「フリーランスのほうがいい」と言えませんが、営業力のある人はフリーランスとして働いたほうが大きな額を稼げます。
これから軽貨物ドライバーとして働き始める人は、わからないことが気軽に聞ける業務委託からスタートするのも選択肢の1つです。
どちらの働き方も向き不向きがあるので、自分に合うのはどちらなのか考えてみてくださいね。
フリーランスの軽貨物ドライバーとして働くうえで必要な3種類の経費
業務委託やフリーランスは個人事業主なので、売り上げから各種経費を差し引いた金額が手取りとなります。
経費を把握しないと確定申告ができないので、最低限かかってしまう3つの経費を紹介します。
最低限必要な経費は会社員とは異なる部分が多いので、事業を始める前に把握しておかなければ確定申告で損をしてしまうかもしれません。
必要な経費がわかっていれば経費として計上できるので、1つずつ詳しく解説していきますね。
1.自動車の維持費
フリーランスドライバーは自家用車を持ち込むケースが非常に多く、自動車の維持費だけでも大きな出費になります。
さまざまな維持費がかかりますが、最低限用意しておくのは以下の3つの経費です。
- 自動車の購入代金(リースも可)
- 車検費用やメンテナンス費用
- ガソリン代
そのほかにはETCカードの費用や、タイヤなどの消耗品もかかります。
これらの経費は確定申告の際に売り上げから差し引いて所得の申告をするため、かならずレシートを保管しておきましょう。
詳しくは軽貨物の車検や軽貨物の税金で解説しているので、経費の詳細を知りたい人は参考にしてくださいね。
2.所得税や住民税
所得税や住民税は会社員も納める税金ですが、会社員は給与時に差し引かれるのに対しフリーランスは確定申告の際に所得税を納めます。
そのため、前年度の所得に応じて課税額が変わるため、ある程度のお金を用意しておかなくてはいけません。
毎年6月ごろに市町村から住民税の納付用紙が送られてくるので、一括もしくは4回の分割で納付しなくてはいけません。
会社員は所得税や住民税が給与から天引きされるから、フリーランスとは結構違うんだな。
確定申告の納付期限が3月15日まで、住民税は6月以降に郵送で送られてくるため年度末前後はある程度の出費を覚悟しておかなくてはいけません。
確定申告の際に必要費として計上できる勘定項目もあるため、レシートを保管しておくクセをつけておきましょう。
3.各種保険料
個人事業主の軽貨物ドライバーは最低でも、3つの保険に加入しなくてはいけません。
お客様の荷物を預かるため貨物保険にも加入していたほうが安心ですが、最低限加入しなくてはいけない保険は以下の3種類です。
保険の種類 | 支払うタイミング |
---|---|
自賠責保険 | 車検時 |
任意保険 | 月ごと、もしくは年払い ※代理店契約が一般的ですが、面倒な人はネットで契約できるはたらくクルマの自動車保険がおすすめ |
国民健康保険 | 月ごと、もしくは年払い |
任意保険と国民健康保険は月々の支払いが多いので、税金のようにまとまった出費はありません。
業務委託をせずにフリーランスとして働く場合は貨物保険に加入しておいたほうが良いので、万が一に備えておいてくださいね。
フリーランス(個人事業主)の軽貨物ドライバーとして働く3つのメリット
責任を負うものの自由度の高い個人事業主ですが、働きやすさ以外にも3つのメリットがあります。
これから紹介する3つのメリットはドライバーならではの良さなので、新規参入する人が多いのも納得しますよ。
おもに開業のしやすさと稼ぎやすさが個人事業主のドライバーのメリットなので、その気になれば今すぐにでも始められますよ。
どのようなメリットがあるのか、詳しく紹介していきますね。
1.初期投資が少なく開業のハードルが低い
軽貨物ドライバーは自動車と普通自動車免許さえあれば誰でも開業できるため、非常に開業のハードルが低いのがメリットです。
かならず軽自動車を用意しなくてはいけませんが、事務所を構えずに開業できるため今すぐにでも事業を始められます。
開業時のネックとなるのが自動車をどう用意するのかという点ですが、初期費用を抑えたい人は以下の2つの方法がおすすめです。
- 50万円ほどの中古車を購入する
- 月々3万円台から借りられるリース車を利用する
車の問題さえ解決すれば、手元にお金がない状態でも開業できるのが運送業のメリットです。
購入とリースどちらが良いかわからないという人は、月々の料金に車のメンテナンスや税金が含まれているリースをおすすめします。
\ 黒ナンバーのリースGMS /
2.能力次第で大きく稼げる
働いた分が報酬になるのはフリーランスの基本ですが、軽貨物ドライバーは事務所や在庫を抱えずに営業できるため他業種に比べて稼ぎやすいのもメリットにあげられます。
案件によって違いはありますが、自分の努力次第でいくらでも稼げますよ。
- 高単価案件にたずさわる
- 効率よく稼げるルートを探す
- なるべく休まず働く
運送業は仕事の量と比例して収入も上がっていくので、やりがいを感じながら働けます。
慣れないうちはスムーズな配送ができなくても、すぐに慣れていくのでガンガン仕事をこなせるようになりますよ。
3.仕事の量を自分で決められる
会社に雇用されていれば自己都合で仕事量を決められませんが、フリーランスであれば自分の裁量だけで仕事量を決められます。
もちろん極端に仕事量を減らしてしまうと給与が減ってしまいますが、会社員のように「用事があるけど休みが取りづらい」という悩みから解放されますよ。
自分の裁量で仕事を決められるのは、おもにフリーランスの人向けのメリットです。
起業すれば労働基準法の労働時間が適用されないから、会社員よりも長く働けるようになるな。
業務委託の場合も繁忙期でなければ労働時間や条件の融通が利きやすいので、軽貨物ドライバー以外の仕事をしながら働くことも可能になります。
フリーランス(個人事業主)の軽貨物ドライバーとして働く2つのデメリット
開業のハードルが低く稼ぎやすいのがメリットの軽貨物ドライバーですが、当然デメリットもあります。
社会保障がなくなってしまうのは運送業以外にも共通してるので、運送業ならではのデメリットを2つ紹介します。
デメリットをどう捉えるのかでドライバーに向いているのかがわかるので、しっかりとデメリットを把握しておきましょう。
それでは、軽貨物ドライバーのデメリットを詳しく解説していきますね。
1.業務委託の場合は仲介手数料が発生する
業務委託は案件を紹介してもらうため営業をしなくても良いメリットがある半面、月々〇円、もしくは1件あたり〇%と仲介手数料がかかってしまいます。
会社ごとに固定金額型とパーセント型に分かれるので、契約前に確認してください。
固定金額型 | 月々5,000円~20,000円程度 ※稼働に関わらず発生する場合があるので、契約前に要確認 |
パーセント型 | 荷物委託料の10~20%程度 |
仲介手数料以外に貨物保険がかかる場合もあり、正確な給与は明細を見ないとわかりません。
「手数料を払うのは嫌」と感じてしまうかもしれませんが、それ以上に稼ぐ金額が大きいので手数料分をカバーすることは可能です。
2.経費がかかってしまう
個人事業主として働くうえで仕方ないことではありますが、さまざまな経費がかかってしまいます。
さらに、年度末にはこれから紹介する経費を計算し、確定申告をおこなわなくてはいけません。
- ガソリン代
- ETC料金
- 車の維持費や修理代
- 税金
- 保険
- リース費用(借りている場合のみ)
今回紹介した経費は車関連のものだけなので、そのほかの経費を知りたい人は運送業の経費についての記事を参考にしてください。
車に関する経費を抑えたい人は税金や任意保険、メンテナンス代が含まれているリースのほうがコストと手間を削減できますよ。
経費に関する知識がなくても会計ソフトを利用すれば簡単に処理できるので、導入を検討してみてくださいね。
案件ごとに給与は変わる!個人事業主の軽貨物ドライバー平均年収
業務委託かフリーランスなのか、どの案件を扱うのかで給与は異なりますが、年収400万前後と言われています。
大手運送会社と業務委託をすれば安定的な収入を見込めますが、フリーランスでECサイトのみの配送では給与が安くなってしまいます。
仕事内容ごとに大まかな収入の目安があるので、参考にしてください。
軽貨物ドライバーの仕事は大きくわけるとこの3種類に分かれるので、仕事内容や違いを詳しく解説していきます。
1.宅配便の場合1件130円前後
大手運送会社と業務委託し、個人宅へ荷物を届ける案件は1件当たり130円前後と言われています。
住んでいる地域によって相場は変わりますが、単価が低いぶん数をこなせば高収入を狙える案件です。
- 大手企業と契約するため、仕事量が安定している
- 努力が反映されやすい
- 配送先の地域によっては荷物の量が少なく、稼げない
- 個人宅を覚えるので、慣れるまでに時間がかかる
都会であれば配達先がたくさんありますが、地方の過疎部は移動だけで時間がかかり思ったように稼げないケースもあります。
配達エリアが決まっているので、慣れれば効率的な作業が身につきますよ。
2.ルート配送の場合単価は10,000円から
あらかじめ決められたルートを順番に回るルート配送は、道さえ覚えれば簡単におこなえる案件です。
配送先も個人宅ではなくスーパーや企業など覚えやすく、再配達の手間がはぶけるのもルート配送の良さです。
- 配達する時間と場所が決まっている
- 働く時間が決まっているため、プライベートと両立できる
- ルートによって単価が異なる
- 朝早い、または夜遅いなど出勤時間が偏る
配達するルートによって給与が決まってしまうので、自分の努力だけでは大きく稼げないデメリットもあります。
しかし、配達先の人と適度にコミュニケーションをとりながら働けるので、精神的な負担が少ないのがルート配送最大の特徴です。
3.スポットやチャーター便の場合50,000円以上
軽貨物を貸し切り配送を依頼するスポットやチャーター便は、おもに企業から「〇日の▲時までに配達してほしい」という依頼がきます。
1件あたりを時給で換算するともっとも稼げる方法なので、ほかの案件と併用しながら仕事をこなしていくと高収入を目指せます。
- 軽貨物1台あたりの値段なので、荷物の量に左右されない
- 1件当たりの単価が高い
- 配達時間が決まっているため、余裕をもって動かなければいけない
チャーター便は緊急性の高い荷物に使われることが多いので、いつ仕事が入るかわからない問題点があります。
しかし、企業と法人契約を結べば継続的な案件が見込めるので、フリーランスで営業力のある人におすすめの働き方です。
フリーランスの軽貨物ドライバーに関する3つの疑問を解説
軽貨物ドライバーとして独立しようか悩んでいる際、やはり本当に稼げるのか気になってしまいますよね。
そこで、フリーランスの軽貨物ドライバーのよくある疑問を紹介するので、不安解決に役立ててくださいね。
「本当に起業して大丈夫かな?」と不安になってしまうかもしれませんが、自分のペースで仕事ができ稼げる素晴らしい職業です。
未経験の人の憶測や不安はわかりますが、これから紹介する疑問を解決すれば不安は一気に解消できますよ。
1.軽貨物は「やめとけ」「やってはいけない」は本当?
これから軽貨物ドライバーとして働こうとしているときに「やってはいけない」と言われたら、本当なのか気になってしまいますよね。
このように「やめとけ」と言われるのは運送業に限った話ではなく、どの職種にも言われています。
なぜ軽貨物はマイナスのイメージがつきまとうのか、理由を考察します。
- ほかの仕事よりも労働時間が長い
- つねに事故のリスクがつきまとう
- 荷物が重く体を壊しそう
ほかの職種に比べると労働時間が長く大変なことは否めませんが、会社員のように労働時間が定められていないため大きく稼げるメリットもあります。
詳しくは軽貨物ドライバーがやめとけと言われる理由で解説していますが、きちんとした業務委託先を選ぶ、もしくは営業をかけ稼げる案件を探せばメリットのほうがはるかに上回る職種です。
2.軽貨物ドライバーで月収100万円や年収1000万は目指せる?
求人サイトを見ると「月収100万円」「年収1000万円」など、今すぐに飛びつきたくなるような文言が書かれています。
高収入を得るためには業務委託が絶対条件となっており、ほとんどが月商や年商をベースとして求人が出ています。
やっぱり月収100万や年収1000万は誇大求人なんだな。
宅配便で稼ぐのは難しい金額ではありますが、チャーター便をメインにおこなえば無理な金額ではありません。
軽貨物ドライバーは歩合制なので、努力や良い案件との巡りあわせで大きく稼げる夢のある職業です。
業務を拡大し従業員を雇えば年収が跳ね上がる可能性は十分あるので、目先の収入だけにとらわれないことも年収を上げる秘訣の1つです。
3.軽貨物ドライバーとして独立して生活はしていける?
「もしも独立して生活がしていけない状況になったらどうしよう」と不安になり、なかなか決断できずにいる人も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、働き方や契約先や置かれている状況によって「生活できる」「生活できない」は大きく変わります。
稼げる人・案件の特徴 |
単価は高いが経費がかからない案件 効率よく仕事ができる 個人事業主として稼ぐ決意ができている |
稼げない人・案件の特徴 |
継続的な案件ではなく、単発の仕事ばかりこなしている 労働時間が短く、まとまった収入を得られない |
毎日のように継続した案件にたずさわれれば大きく稼げますが、仕事があったりなかったりの状況では稼げません。
しかし、運送業界全体が市場を拡大しているため、きちんとした契約先を選べば生活ができない状況には陥らないので安心してくださいね。
同じ個人事業主でも業務委託かフリーランスなのかで働き方や年収は変わる
黒ナンバーの軽貨物ドライバーと同じ状況に置かれていても、業務委託とフリーランスでは仕事の受注方法や年収が大きく異なります。
軽貨物ドライバーとして独立をするなら質問できる環境の業務委託のほうが働きやすいので、まずは仕事に慣れることから始めていってくださいね。
- 個人事業主のため収入から経費を差し引いた金額が年収となる
- 軽貨物ドライバーは働き方や案件、努力次第で大きく稼げる
- 近場を回る宅配便から長距離を走るチャーター便まで幅広くあり、好きな仕事を選べる
業務委託、フリーランス問わず個人事業主として働けば努力次第で会社員よりも年収が跳ね上がるので、夢のある職業です。
経費の支払いや確定申告などのマイナス要素もありますが、マイナスをおぎなうほどのメリットがあるので軽貨物ドライバーデビューしてくださいね。
案件探しと並行して、時間がかかる車選びも始めていってくださいね。