「車検は通さなければいけない」とわかっていても、軽貨物のことってよくわからないですね。
「軽貨物の車検は1年ごと?2年ごと?」
「自家用車と軽貨物の車検は何か違うの?」
など、気になっていませんか?
ひとことで4ナンバーと言っても軽と普通車では車検期間が異なるので、しっかりと覚えておいてくださいね。
- 自動車の分類と4ナンバーのメリット
- 黒ナンバーの車検と自家用車の車検の違い
- 知らないと損!車検費用を抑える2つの方法
この記事では軽貨物の車検の基本情報から、車検を安く済ませる方法まで徹底的に解説していきます。
この記事を読めば、自家用車と軽貨物の車検の違いがわかりますよ。
「軽貨物の車検のことを詳しく知りたい」という人はぜひ読み進めてくださいね。
4ナンバーとは小型の軽貨物自動車のこと
4ナンバーはナンバープレートに記載されている分類番号が4で始まるものを指しますが、一般的には軽貨物自動車と呼ばれています。
軽貨物自動車と聞くと軽バンのことを思い浮かべるかもしれませんが、それ以外の車種でも4ナンバーとして登録されています。
運送業を始めるなら4ナンバーの知識はあったほうが良いので、基本情報を詳しく解説していきますね。
4ナンバーの基本情報を知らなければ、この後紹介する車検の基本情報の理解度が下がってしまいます。
まずは4ナンバーとはどんな車のことなのかを解説していきますね。
10種類に分かれる自動車の分類について
ナンバープレートに記載されている分類番号は自動車の種別や用途により異なり、ナンバープレートを見るだけでさまざまな情報を得られます。
その中でも地名の横に書かれている分類番号を見れば、一目で用途がわかります。
1ナンバー | 用途が貨物/普通貨物車 |
2ナンバー | 普通乗合車/定員11名以上 |
3ナンバー | 普通乗用車/定員10名以下 |
4・6ナンバー | 小型貨物・軽貨物/用途は貨物に限る |
5・7ナンバー | 小型乗用・軽乗用車 |
8ナンバー | 特種用途自動車 |
9ナンバー | 大型特殊自動車 |
10ナンバー | 大型特殊自動車/用途は建設機械に限る |
小型貨物や軽貨物に分類されるから、4ナンバーって言われてるんだな。
詳細は国土交通省の自動車の用途などの区分についてで確認できますが、乗用部分よりも積載面積のほうが大きいなどの条件を満たしたものを4ナンバーと言います。
代表的な4ナンバーの車とメリット
4ナンバーは黒ナンバーの軽貨物車というイメージが強いかもしれませんが、普通車でも4ナンバーとして登録できます。
軽バンだけでなく、身近なところで言えばハイエースなどの普通車も4ナンバーとして登録されています。
これから紹介する4つの条件に該当すれば、荷物の輸送を目的とする4ナンバーとして登録できますよ。
- 全長4.7m以下
- 全幅1.7m以下
- 全高2.0m以下
- 総排気量2,000㏄以下
※ただし、ディーゼル車は除く
軽トラ・軽バン・ハイエース・トラックなどが一般的な4ナンバーの車です
4ナンバーとして登録すれば税金などの維持費が安いため、ハイエースなどの大型の普通車でも維持費が節約できるというメリットがあります。
軽貨物と軽自動車の3つの違い
軽貨物と軽自動車はナンバーの色以外にも違いがあり、乗用部分よりも荷物を載せる床面積が大きいなど細かい規定があります。
細かい違いはあるものの、大きく分けると以下の3つが大きな違いです。
- 自動車税が軽貨物のほうが年間13,000円安い
- 軽貨物のナンバープレートは黒色
- 軽貨物の車検は1年ごと
※ただし、軽自動車の場合は2年ごと
軽貨物は維持費が安いものの任意保険の金額が大幅に上がるため、税金面の優遇措置も保険代で相殺してしまうほど維持費がかかってしまいます。
頻繁に自動車を利用する軽貨物自動車はメンテナンスにもお金がかかってしまうため、コスト面で劣ってしまうのは仕方ないことなのかもしれません。
4ナンバー(黒ナンバー)の車検にまつわる5つの基礎知識
一般的には黒ナンバーと呼ばれている4ナンバーの自動車は、車検においても自家用車と異なる部分がたくさんあります。
必要な情報や金額を把握しておくと車検時に慌てずに済むので、これから4ナンバーの車検の基本情報を解説していきます。
これから紹介する基礎知識は4ナンバーの自動車を所持するうえで知っておくべきことばかりなので、1つずつ詳しく解説していきますね。
1.車種によって車検期間が1年と2年に分かれている
ひとことで4ナンバーと言ってもさまざまな車種があるとお伝えしてきましたが、車種によって車検期間が1年のものと2年のものがあります。
総重量を見れば車検期間がわかるので、以下の表を参考にしてください。
車種 | 初回 | 2回目以降 |
---|---|---|
総重量8t以上 | 1年 | 1年 |
総重量8t未満 | 2年 | 1年 |
軽自動車 | 2年 | 2年 |
このように、軽自動車以外の4ナンバーは1年に1回車検をおこなわなくてはいけないため、税金面で優遇されているものの車検費用でコストがかかってしまいます。
軽自動車の黒ナンバーの場合、新車登録から13年を超過しても2年ごとの車検で構いません。ただし、自動車税が2~5割ほど割高になってしまうので、車体購入時に何年に登録されたのかを確認しておきましょう。
13年超過したら、5,200円の自動車税が6,240円~7,800円になるってことだな。
2.黒ナンバーの軽貨物が車検時に必要な書類
黒ナンバーの軽貨物であっても車検時に必要な書類は同じなので、以下の4点をかならず用意してください。
- 使用者の印鑑
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
持込車検の場合は軽自動車検査表などが必要になるため、上記以外の書類で必要なものがないか事前に整備工場などに確認しておきましょう。
なお、納税証明書を紛失した場合は普通車であれば各都道府県の自動車税務事務所および支所、軽自動車であれば市役所で再発行できます。
あとは車検費用を用意しておけば良いんだな。
3.法定費用である重量税の金額について
重量税は自分の荷物を運ぶために利用する「自家用」と、顧客の荷物を運ぶ「事業用または営業用」の車では重量税の金額が異なります。
事業用の車は「黒ナンバー」や「緑ナンバー」と呼ばれているため、どのように登録されているのかはナンバープレートを見ればすぐにわかりますよ。
運送業はお客様の荷物を運ぶ仕事をしているので、事業用として登録されているんです。
車両総重量 | 13年未満の重量税 ※継続検査時の税額 | 13年未満 自家用車の重量税 |
---|---|---|
~1トン | 2,600円 | 16,400円 |
~2トン | 5,200円 | 32,800円 |
~3トン | 7,800円 | 49,200円 |
~4トン | 10,400円 | – |
~5トン | 13,000円 | – |
※事業用ナンバーの1年あたりの重量税です(2021年11月現在)
4ナンバーの車は車両総重量で重量税が決まるため、自家用の車とは重量税の算出方法が異なります。
自家用車は2年に1回重量税を支払わなくてはいけませんが、1年ごとに重量税を納めても事業用のほうが圧倒的に安く済むのが4ナンバーのメリットです。
4.自賠責保険の金額
税金が安い4ナンバーですが、自賠責保険は自家用車より1.5倍ほど割高になってしまいます。
自家用車よりも車を使う頻度が高いため仕方ないことではありますが、1年または2年分の自賠責保険が車検時に必要です。
沖縄県や離島は自賠責保険の金額が異なるので、一般的な保険料を自家用車と比較していきます。
自家用乗用車 | 事業用(営業用) ※2t以下 | |
---|---|---|
12ヶ月契約 | 12,700円 | 18,160円 |
24ヶ月契約 | 20,010円 | 35,630円 |
(出典)国土交通省/2021年11月現在の金額です
自賠責保険だけでなく任意保険の料金も割高なので、税金面で得をしたぶんも保険料で相殺されてしまいます。
保険は加入しないとだから仕方ないけど、金額が高いのは軽貨物のデメリットだな。
5.軽貨物の車検費用は7万円前後が相場
軽自動車以外の軽貨物は1年ごとに車検があるため、費用がいくらかかるのか気になってしまいますよね。
軽自動車で車検をした場合、いくらになるのか相場を紹介します。
車検費用の項目 | 金額 |
---|---|
自賠責保険(24ヶ月の場合) | 35,630円 |
重量税(1t未満) | 5,200円 |
印紙代 | 1,500円 |
点検整備費用 | 25,000円~ |
合計 | 67,330円~ |
あくまでも車検費用の目安なので費用が増減する可能性は十分ありますが、どこで車検をするのかで費用は変わってきます。
点検整備費用が抑えられれば車検費用も安く済むため、法定費用以外の部分を削れるのか考えましょう。
軽自動車以外は毎年車検があるから、単純計算で毎年7万以上車検代がかかるってことだな。
軽貨物の車検費用を抑える2つの方法
軽自動車以外は1年に1度車検があるため、できるだけ車検費用を抑えたいですよね。
そこで、軽貨物の車検費用を抑える2つの方法を紹介するので、少しでも経費を抑えておきましょう。
おすすめの車検方法は人によって異なりますが、どちらを利用しても車検費用を抑えられるので詳しく解説していきますね。
1.ユーザー車検を利用する
あまり聞きなじみがないかもしれませんが、ユーザー車検は整備工場を通さずに自分で車検を受けるける方法です。
ただし、ユーザー車検は整備をせずに車検が通る車でなければ車検は通らないので、車の状態に合わせて利用するか検討してください。
ユーザー車検は非常に安く車検を受けられますが、軽自動車のみなので注意してください。
「難しそう」と感じるかもしれませんが、流れさえ把握すれば誰でも簡単に車検を通せるので方法を解説していきますね。
- 1.軽自動車検査協会を探す
- 2021年11月現在、全国に89か所あります。
最寄りの事務所は軽自動車検査協会公式サイトで確認してください。 - 2.必要書類を準備する
- 自動車検査証
自動車損害賠償責任保険証明書
点検整備記録簿
軽自動車(種別割)納税証明書
※そのほかの必要書類は窓口で貰えるため、車検当日記入します - 3.公式サイト、もしくは電話で車検の予約をする
- 4.予約日に軽自動車検査協会へ行き車検を受ける
予約日に必要書類を持ち検査コースを順番に回るだけで車検を受けられるため、持込む手間はかかりますが半日もあれば車検が終わるため非常にラクです。
自動車整備工場で車検を受ければ10万円近くする可能性もありますが4万円で済むので、内訳を紹介します。
自賠責保険(24ヶ月) | 35,630円 |
重量税 | 2,600円 |
検査手数料 | 1,400円 |
技術情報管理手数料 | 400円 |
合計 | 40,030円 |
※継続検査(車検)の内訳です(2021年11月現在)
このように、車の状態が良ければ非常に安く車検が受けられます。詳細は「ユーザー車検とは」で解説しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
自賠責と重量税はどこで車検を受けても同じだから、1,800円の手数料だけで受けられるってことか。
2.複数の会社で見積もりを取る
一般的にはディーラーよりも車検専門店やガソリンスタンドのほうが車検費用が安く、費用を大幅に抑えられます。
「車検なんてどこで受けても金額は変わらない」と思うかもしれませんが、重量税や自賠責保険料の法定費用以外の手数料は業者によって大きく異なります。安い業者を探せば整備費用を大幅に抑えられるので、経費を浮かせられますよ。
安い業者がどこなのかわからない場合は、一括見積で業者を比較すれば簡単に見つかります。
- 保険スクエアbang!
- 楽天車検
- ホリデー車検
- EPARK車検
一括見積は「クレジットカードが利用可能」「車検ローン」など希望の条件から検索できるため、金額と条件が合う業者を簡単に探せるメリットがあります。
もちろん見積もりは無料なので、さまざまな業者を比較して納得のできる車検を受けてくださいね。
軽貨物の車検は車種によって期間が異なる!安く済ますなら比較してから検討すべき
軽貨物の車検は軽自動車は2年ごと、それ以外の車種は1年ごとと決められています。
そのため税金面では優遇されている軽貨物も、車検費用で相殺される可能性も十分考えられます。
維持費がかかるからこそ、車検費用を安く済ませる方法を考えておいたほうが良いんだな。
- 軽貨物は税金面では優遇されているが、自賠責保険は自家用に比べて割高
- 整備工場で車検をおこなった場合7万前後が相場
- ユーザー車検は安く済ませたい人、それ以外の人は一括見積をすれば費用を抑えられる
車検が切れた車を運転すると30日の免停、もしくは免許取り消し処分が下され仕事ができなくなってしまいます。そうならないために、余裕をもって車検は予約しておきましょう。